うぶげびより

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東大卒で元官僚のママが育児をしながら呟く日記

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官僚を辞めた理由~低い給料~

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私が官僚を辞めた理由の一つに、給料の低さがあります。

 

 

 

官僚の給与体系

基本給は、年次によって決まっているので個人差はありません

一方で、省庁や部署によって残業代が大きく異なり、一般的には次に示すようなイメージです。

 

係員(1年目~)  :約350万円~

係長(4年目~)  :約500万円~

課長補佐(8年目~):約600万円~

企画官       :約900万円~

課長        :約1,200万円~

審議官       :約1,500万円~

局長        :約1,800万円~

事務次官      :約2,500万円弱

 

管理職になってから(企画官以降)は、年次に少しずつバラつきが出てきますが、良くも悪くも、キャリア官僚であれば、4年目に係長、8年目に課長補佐に自動的に上がり、課長まではみんな必ず昇進します

課長以降が、「事務次官レース」と言われている競争の始まりであり、勝負に負けた人が肩たたきにあって、同期の中で一人だけが事務次官になることができるのです。

 

なお、この給与イメージは、あくまで私が見聞きした情報に基づくものではありますが、人事院が公表している「国家公務員の給与(令和3年版)」のモデル給与例とも大きく違わないかと思います。(P.16参照)

https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/pdf/r03_kyuyo.pdf

 

官僚時代の給与明細公開

一般的な給与イメージをお伝えしましたが、実際にいくら給料をもらっていたか?実際のところが気になる方も多いと思うので、私が官僚だった頃の給料をお示します(源泉徴収票や給与明細が残っていた最初の方だけですが)。

 

1年目(係員):年収400万円弱

月給:基本給18万円+残業代5-9万+各種手当等=約30万弱/月 

賞与:50万(夏・冬)※夏の賞与はほぼゼロなため低い

 

2年目(係員):年収約520万円

月給:基本給19万円+残業代10-12万+各種手当等=約35万弱/月 

賞与:100万弱(夏・冬)

 

3年目(係員):年収約570万円

月給:基本給20万円+残業代10-16万+各種手当等=約39万弱/月 

賞与:100万弱(夏・冬)

 

4年目(係長):年収ベースで600万円超ぐらい?

月給:基本給21万円+残業代13-17万+各種手当等=約43万/月 

賞与:110万?(夏・冬)

 

基本給はだいたい1万/年ぐらい上がっていき、これは皆同じです。

一方、大きく差が出るのが残業代。単価は年次に応じて少しずつ上がりますが、所属する部署によって、残業時間や部署の予算などが異なるため、大きく差が生じます

部署の予算が多ければ、実際の残業時間に対して、支払いが認められる残業時間も多くなり、サービス残業が増えます。しかし、部署の予算が多くても、部署内で沢山の人が残業して、一人一人に対して支払える残業代が少なくなれば、支払いが認められる残業時間も減ることになります。

 

ちなみに、私の残業時間については、どちらかと言えば少なくはないですし、残業代の出が良い部署にいたこともあったりして、霞が関の中で見れば、私はまぁまぁ残業代を貰えていた方かなと思います。

 

とは言え、あくまで、残業代が満額支払われていなかった当時の話ですので、現在とは状況が異なること、予めご了承ください。

 

官僚の給与は高いのか

官僚の給与を高いと見るか、低いと見るか。

官僚は「高給取り」と言われたりするように、世間一般的に見れば、高い部類に入るのでしょう。

 

が、私は低いと思っています。

 

若い頃から、身を削って働き、やっと課長になって、40代中盤。そこからが競争の始まりで、霞が関だけでなく官邸にも忠誠を尽くし、同期+前後1年ぐらいの先輩後輩含めたレースをやっと勝ち抜いて事務次官その事務次官で、2,500万円弱。しかも、任期は1~2年。

高いという意見があるのも、もちろん承知していますが、会社で言えば社長なわけです。若くから安月給で日本のために身を粉にして働き、やっとトップになって2,500万円。責任だけはとてつもなく重大で、トップの座に君臨できても、たった1年かそこらで交代。

 

私は、もっと貰っても良いと思うんです。

 

仕事を選ぶ基準って、仕事内容はもちろんですが、給料も大事な要素だと思っています。いくら好きな仕事でもお金が貰えなかったら生活ができないので、ためらいますよね。

 

今や、官僚なんて全然人気のない職業。

給料くらい、民間の大企業と同じかそれ以上にしないと、優秀な人材が集まらないし、ましてやどんどん離れていく。

 

東大でも、優秀な人が官僚になるという流れはなく、入ったとしても優秀な人材ほど、どんどん転職していく。(残るのは、公務員らしく頭が固くて偏屈な人ばかり。)

 

もちろん、すごいなぁと思う優秀な人もたくさんいました。そうした人は、金融機関や商社、外コンなどに就職すれば、倍か、それ以上の給料がもらえるはずなのに、日本を良くしたいという志を持って、あえて叩かれてばかりの官僚を選んできている。

 

そういうことを世間の人にはちゃんと理解してほしいなと思います。

 

私が転職を決意した理由

ボーナスが出るたびに、パァッと海外旅行に行ったり、良い車を買ったりとしている友人たちを見て、お金貰っても使う時間が無いから良いやなどと強がっていたのも最初のうち。

段々と、(自分で選んだ道でありながらも)同じ大学を出て、なんでこんなにも生活が違うのだろう?と虚しさと、誰にも認められない悲しさを感じるようになりました。

そして、それに耐えかねた私は、特別、高い給料が欲しいわけではない、ちゃんと働いた分の給料が欲しい、そんな思いを持って、転職することにしました。

 

※私が、給料が「安い」、「低い」と言っているのは、あくまで、労働時間に対して低いor安いという意味です。

 

官僚を辞めた理由〜現場との距離〜

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私が官僚を辞めた理由の4つ目は、霞ヶ関と国民・現場の遠さでした。

 

 

霞ヶ関の仕事

そもそも、国家公務員とは、日本という国と日本国民のために働く公務員

日本の未来をデザインする仕事、と言われています。

 

法令を整備して、国民が暮らしやすく、企業が活動しやすいように環境を整えたり。

困っている国民や企業への施策を考えたり、あるいは困っていなくても国民や企業の生活・活動をより良くしていく施策を考えたり

 

日本のあるべき姿を考え、国として、大きな方向性を決めることができるのが、霞ヶ関の仕事の特徴かと思います。

 

霞ヶ関との距離

ただし、あくまで、環境を整えること、大きな方針を示すことが国の役割であって、具体的なことは、その先の地方自治体や民間企業などが動くことで、最終的に国民に還元されていくことになります。

 

民間企業とは違って、役所は、モノやサービスを使うお客様を直接、相手にしているわけではないので、自分の仕事がどのように役に立っているのか実感が湧きづらい

テレビでニュースを見たり、会議に出ている閣僚の発言を見たりする中で、こうして少しは世の中に発信されてるんだな、と感じるだけでした。

 

霞が関において、もっと現場とのやり取りが多く、現場感(国民の声)を感じやすい部署だったり、地方自治体への出向だったり、できないわけではないです。

ですが、異動できたとしても、何十年とある役人人生の中での人事異動の中での一つのポスト。一時的なものにしか過ぎません。

 

国を動かすような大きな仕事、というのは、壮大で格好良く聞こえますが、

逆に言うと、細かいところ、個別・具体的な内容については、手を出せません

 

そんなことは、入る前から分かりきったことではあるのですが、民間企業に勤める友人達と比較してしまって、羨ましさを感じていました。

 

働くモチベーション

広くみんなのために役に立つことがしたいと思って、国家公務員になったのに、みんなのために役に立っていることが実感できない。

 

ただでさえ、仕事はきつく、このハードワークを理解している国民は一部しかいない。

しかも、給料は超低い(対同級生)。

さらに、マスコミは自分たちの良いように切り取って報道して、叩かれてばかり

官僚という肩書ぐらいしか仕事を続ける拠り所がないのに、その自分のしている仕事って、どこでどんな風に役に立ってるんだろう

 

こうして、だんだんとモチベーションが湧かなくなってくるとともに、もう少し現場に近いところで仕事をしてみたいと、次第に、気持ちが傾いていったのでした。

 

官僚を辞めた理由~専門性の欠如~

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今回は、私が官僚を辞めるに至った理由の3つ目は、専門性が身につかないと感じたから

今日はそのお話をしたいと思います。

 

 

官僚の人事異動

官僚はジェネラリストになることが求められているとお話しましたが、官僚の人事異動は、1~2年おきにあります。ケースバイケースですが、大抵2年で短いと1年。

なお、一般職やⅡ種は、スペシャリストとして専門性が求められるので、もっと長いスパンになります。

 

そして、官僚の異動先は、若手のうちは、あまり脈絡もなく、色んな部署になります。

「こういう畑の人なんだな」と色付いてくるのは、年齢を重ねてからで、管理職になるくらいからでしょうか。

 

私もいくつかの部署を経験しましたが、関連性は全くありません。前の部署での経験が活かせるとか、関連があるとかは、役所において、若手のうちは関係ありません。

「役人」としての仕事という意味では、根本的な考え方や仕事のやり方は同じですが、ずっと国際系の仕事ばかりするわけでもないし、子育て支援施策について永遠と担当するわけでもない。

 

1~2年おきに担当する内容がガラリと変わるので、異動しては、一から新しく仕事を覚えて慣れていく、その繰り返し。

引継資料があるとは言え、前例踏襲主義とは言え、世の中の状況は刻一刻と変化していて、上司も違うので、まさにon the job でその時時の状況に合わせた仕事を行います。

 

良く言えば、色んな仕事ができて、飽きが来ない。

悪く言えば、色んな仕事に手を出すので、専門性が身につかない。

 

私が官僚になった理由

そもそも、私が国家公務員を志望した理由、そして、この省庁に決めた理由も、前者の、色んな事ができるから

 

東大に来るような人は、大学卒業後のビジョンも明確に決まっている人が一定数います。

一方で、東大の志望理由として、進学振り分け制度、通称「進振り」(入学時に学部は決めず、成績に基づいて3年になったら決める制度)を挙げる人が多いように、大学入学後にやりたいことを見つけていく人も多いです。

いずれにしろ、みんな、進学するまでだったり、就活が始まるまでだったり、卒業するまでに、やりたいことを見つけていきます。

 

ただ、世間でも東大生離れが言われている通り、今、官僚は全然人気がないので、官僚は、昔からなりたいと思っていたような熱意のあるような人が多いです。

 

私はと言えば、東大に入ったことがゴールになってしまっていて、その後は、何をやりたいのかよく分からない、一種の燃え尽き症候群状態。

民間の就活もしましたが、「うーん、どこの会社に行ってもそれぞれ面白そうだな」と思うばかり。

「これだ!」と思えるものが見つかりませんでした。

 

ただ、漠然と、広くみんなのために役に立つことがしたいという思いはありました。

 

そして、そんな要求を満たしつつ、色んなことが経験できて、その中でキャリアの方向性を決めていける国家公務員は、私に合っているのでは?と思うようになり、志望に至ったのでした。

 

その中でも、私のいた省庁は、扱う内容が特に多種多様だったこともあり、色々やってみたいと思っていた私にとって最適だと思い、官庁訪問(面接)を経て、ここの役人になることに決めたのです。(もちろんこんなザクッとした理由だけでは、官庁訪問はパスできませんので、他にも理由はありますが、詳細は伏せておきます。)

 

専門性を身に付けたい

メーカーで財務をしている友人、商社で油を売っている友人、金融機関で営業をやっている友人など、大学の同級生には民間企業で働く人がほとんどでしたが、

彼ら彼女らの話を聞くと、確かに異動はあっても、基本的な軸が変わることはなく、各人の専門性をどんどん高めていっているように見えました。(もちろん、それは会社によると思います。)

 

一方で、私はと言うと、やたらと異動をして、知識は薄く広く増えていくような気はしたけど、何ができるようになったかと聞かれるとよく分からない。

身に付いていく専門性はあくまでも公務員として必要な専門性。国会答弁の書き方とか、予算編成の流れとか、法改正の流れとか、霞が関でしか通用しないスキル。

 

同級生と比較するものではないとは分かっていながらも、当初の志望動機からは外れて、何でも良いから、私の仕事はこれ!と言えるような専門性を身にけたいと思うようになったのが、辞めたくなっていった理由の一つです。

 

官僚を辞めた理由~縦割行政にうんざり~

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私が官僚を辞めた理由の一つは、役所の縦割行政に辟易としたからです。

今日はそのお話をしたいと思います。

 

 

花形部署へ移動!?

官僚は、だいたい1~2年で人事異動をします。ちょっと慣れてきたなというところで異動。スペシャリストではなく、ゼネラリストが求められているからです。

ある時、異動した課は、省内で一番(当時)国会の質問が当たる、めちゃくちゃ忙しい課でした。とはいえ、国会でたくさん質問がくるというのは、それだけ世間でも注目されているからであり、自分で言うのもなんですが花形部署でもありました。

 

ジャックナイフに刺されながらも、死なずに生きながらえた私は、「こいつは手荒に扱っても大丈夫だ」と人事に認識されたのか、この部署に放り込まれることになったのです。

ジャックナイフのお話については、官僚を辞めた理由①~最初の配属~でお話しています。

 

一応言っておくと、別に、役所では、頭が良いかとか、能力が高いかは、どうでもいいんです。そんなのは、ほとんど関係なく、みんな一律で昇進していくので。

だから、私も、特別、優秀だったわけではありません。優秀だから、花形部署に異動したわけではなく、体力と気力、精神力さえあればこういう部署に異動させられるのです。

 

役所の人事異動

ちなみに、話はそれますが、役所では、一度、忙しい課だったりヤバい上司のもとで無事任期を終えると、「こいつは大丈夫だ」という刻印が押され、その後の人事も、割と大変な課に異動させられることが多いです。

逆に、潰れたりしちゃった人は、その後は、あまり忙しくなく、負荷が少ない部署を渡ることが多いです(少なくとも私のいた省庁は)。

 

真相は分かりませんが、丈夫な奴を戦場に送り込み、体調の優れない人はリハビリさせておくのは、まぁ普通な気がするので、役所に限ったことではないのかもしれません。

 

悪く言えば、言ったもん勝ち

 

というのも、私の変な同期が、人事に、異動先と上司についてめちゃくちゃ要望をつけて(じゃなきゃ辞めるか死ぬというレベルで)、到底霞が関の役人とは言えないような仕事と生活を手に入れていたから。

 

昨今、若手が足りてない状況で、人事としては辞められちゃったら困るんで、手厚くケアをしてくれるんですよね。

 

何が嫌だったかって、忙しくない課は残業する人が少ないので予算が余りがちな一方で、忙しい課はみんなが残業するから、残業代は奪い合い。なので、忙しくない課でちょっとしか残業しなくても、忙しい課で残業するのと同じくらい残業代を貰えたりすることも(あ、もちろんケースバイケース)。

 

今は、河野太郎さんが改革をしてくれたから満額出ているようですね(少なくとも旦那は)。素晴らしい!

 

安倍総理答弁マシーンになる

話は戻り、花形部署に異動したわけですが、国会で質問の当たること当たること。しかも、扱っている政策の性質上、大臣(大臣問)より、総理に聞かれることが多い(総理問)。総理問って、一問当たるだけでお祭りのように大変なんですが(後述)、ここでは1日何十問と当たったこともありました。

 

こうして私は、国会開会中、ひたすら安倍総理の答弁を書くマシーンとなりました

 

最終版になるまでに、手が加えられているとは言え、自分が書いた答弁を総理や大臣が読むのは、「うわぁー、ほんとに読んでる!」と最初はやりがいを感じていました

 

役所の縦割行政の弊害

総理問というのは、大臣や局長(事務方)とは違い、答弁が省内でだけで完結しないことが多いです。(例えば、幼稚園や保育園について聞かれたら文科省厚労省(と内閣府)で調整して答弁を作る、みたいな。)

 

まず、総理に質問が当たると、答弁作成担当の割り振り(答弁をメインで書く省庁、答弁のパーツだけ作ってメインの省庁に渡す省庁、答弁は書かないけど答弁に問題のあることが書かれていないかチェックだけする省庁など)を決めます。その際に発生する縦割行政の弊害が、割り振り揉め、通称「割り揉め」

揉め方は、「うちの省庁ではなく、お宅の省庁だ!」という場合や、逆に「いやいや、お宅じゃなくて、うちの省庁で書かせろ!」という場合も。

 

調整は、例えば、こんな感じ。

「この問いは○○について聞いているから、A省で書いてください。」

「いやいや、この問いの本質は●●だから、B省で書いてください。」

 

こんなやり取りを経て、割り振りが決定した後は、答弁の調整。

各省庁それぞれの利害があるので、ここでも、簡単に意見が一致することは中々なく、

 

「○○だからこういう文言を追加すべきです」

「○○は質問とは関係ないので、この文言は落とすべきです」

 

と、あーでもないこーでもないと論戦を交わします。

 

割り振りにしても答弁にしても、他省庁の言う通りの案を持ってっても課長のOKはもらえません。

若手は戦ってなんぼ、みたいな風潮があったりもするので(省庁によるのかも)、上に挙げたような電話交渉を、課長の前で必死に見せつけるわけですね。

 

そして、戦の末にまとまった折衷案を持って、やっと課長が、

「まぁ頑張ったからこれで良いか」と納得してくれるか、

「いやいや、これは○○省として絶対譲れない」となれば、もっと上の方が乗り出して、次の交渉に行くわけですね。

 

さらに、同じことは省内でも起こりますどこの部局、課で答弁の作成を担当するかの割り揉めと答弁の調整です。

はたから見れば、「同じ省内ならどっちでも良いじゃん」って感じの、ただの内輪揉めです。

 

大臣や事務方への質問であれば省内の調整だけで済みますが、総理問だと、省庁間の調整も加わるので、非常に時間がかかってしまうのです。私がお祭りと言ったのは、こうした煩雑さから来るものです。

 

もちろん、毎回じゃないですが、霞が関の役人たちは、こんな揉め事を、夕方から深夜にかけて何時間も繰り広げたりしているわけです。

 

悪しき前例主義

省庁間であれ、省内であれ、どうしてこんな事が起きるかと言うと悪しき、役所の前例踏襲主義のせい

 

例えば、割り揉めであれば、揉めるような問というのは、どこが所管しているとも言えないような微妙な質問。分かりやすい問であれば、そもそも、問題は起きません。

微妙な質問だと、責任を持って答えられないということで、誰も引き受けたがりません。押し付け合いが始まります。それを一度、引き受けてしまうと、

「先日、この問は〇〇省(●●課)が書きましたよね?それなら、今回も同じですよね。」という理屈で、以降、所管しているとも言えるような言えないような微妙な質問をずっと引き受けなきゃいけなくなるんです。

一度、前例を残してしまうと、以後、よくわからない責任をずっと引き受けることなってしまうので、変な前例は絶対に残したくない。

 

粗探しのようですが、割り揉めのたびに、「こんな問を過去に●●省が書いてます!」と、過去の答弁(前例)を探すことも、よくしたりしました。

 

なんでこんなに無駄なことが多いのか

こうした状況なので、国会開会中は、常に戦闘モード。他省庁の知らない人であれ、隣の課の先輩であれ、毎日朝から明け方まで、あーだこーだと言い合いをして、神経がすり減る生活でした。

 

また、他省庁と揉めるのは百歩譲って仕方ないとしても、「同じ省内でなんでこんなに揉めなきゃいけないの?同じ省なんだから、最終的にはどこで書いても良くない?」と思い、こんな無駄なやり取りの多い霞が関での生活にうんざりしてしまったのでした。

こうした役所の縦割行政の弊害は、上に挙げた国会対応の場面だけにとどまらず、日々、色んな所で感じるようになり、どんどん辞めようと思うようになりました。

 

官僚を辞めた理由~ジャックナイフ現る~

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私は、東京大学を卒業後、霞が関の役人、キャリア官僚としての人生をスタートさせました。

が、色々と悩んだ末に、せっかく手に入れた官僚という肩書、安定の公務員という職業を若いうちに捨てました。

私が官僚になってから辞めるまでの経緯を、振り返っていこうと思います。

 

 

純ジャパなのに最初の配属先はまさかの国際部署

私は日本生まれの日本育ち。留学経験もなければ、大学の専攻も英語とは無縁。いわゆる純ジャパ

高校生まで、英語は好きだったので、得意科目と言っていたけど、東大というくくりの中で見れば、ゴミみたいなレベルだったので、あのキャンパスでは口が裂けても英語が得意なんて言えない。それは東大卒が多い官僚の中でも同じ。

TOEICの点数が特別高いわけでもない。就活の時には、みんなこぞってTOIECを受けていたけど、たとえ留学してなくても、帰国子女じゃなくても、平気で900超がウヨウヨ。

 

面接でも、留学や国際的な仕事がしたいなんて、一言も言ってない。

 

ただ、官庁訪問時のエントリーシートには、空欄はできるだけ作らないようにと思い、留学経験のところを、高校生の時の1か月のホームステイをもって短期留学と記載(決して虚偽ではない)。

 

それが人事の目に留まったのか、最初の配属はまさかの国際部署。(私より英語ができる同期は他にもたくさんいたので、真相は分からない。)

基本的に、1年生官僚の最初の配属先は、自分の役所が何をやっているのかの理解という意味も込めて、「総務課」や「総括」と呼ばれる、それぞれの局の取りまとめを行う窓口的な課への配属が多いのですが、この部署は総括ではなく、原課と呼ばれる具体的な施策や法律などを検討するところ。

 

当初は、海外出張あるし、他の同期より忙しくなさそうな課でラッキー\(^o^)/とか思ってました(英語全くしゃべれないけど)。

 

しかし、ここで出会った上司が、私が官僚を辞めるきっかけになった理由の1つでした。

 

ジャックナイフ現る

その上司との出会いは、1年目の夏。その人は、配属された先々で、部下を潰してしまうクラッシャー上司。なんなら部下だけでなく上司も休職だか病気にだか追い込んでしまったという逸話も持つ役所内随一のクラッシャー

たとえがあっているのか分からないのですが、会う人会う人を切りつけるということで、私はジャックナイフと命名していました。

 

ただ、めちゃくちゃ頭は良く、物凄い切れ者。なので、言ってることは非常にまっとう。

 

そんなジャックナイフが、留学から帰国することになり、私の課に配属されることになりました。

 

 

そこからが地獄の日々でした。

 

とても頭が良い人だったので、どんなに準備しても、死ぬ程、詰められたし、答えられなかったり詰まっていない資料を持っていくと、みんなの前で平気で1時間以上説教されました。

(深夜まで残業すると「遅くまで仕事やってないで、さっさと済ませて帰れ!効率的にやれ。」とよく言われたんですが、「いや、お前の説教で日中時間が潰れるせいだよ。」と喉まで出かかっていた。)

 

元々1年目で何も分からないペーペーなのに、その人の頭の回転スピードが速すぎて、言ってることの理解が全然追い付かない。

 

英語も全然できないので、作る資料は全然OKが貰えないし、しかも、まさかの、どこをどう直せば良いか教えてくれないスタイルw質問をしに行っても無視られること数え切れず。

 

怒られる時は、隣の課にも聞こえる声で罵倒され、私は1時間以上立ちっぱなし。

悔しさと虚しさで、しょっちゅう鼻水垂れ流しながら泣かされましたティッシュを取る余裕もなかったw)。

トイレにも、よく泣きながら駆け込んでました。

 

課内の人は、いないところで後で「大丈夫?」とフォローはしてくれるんですが、課長でさえ止めることはしない。そんな日々でした。

まぁ言ってることは正しいんですが、怒り方や指導の仕方ってものがあるよなと。

 

ちなみに、課内には私以外にもターゲットになった他省庁からの出向者がいましたが、その人は通常の任期を待たずして、出向元に帰っていきました。そして、言うまでもなく、次の後任は出してもらえませんでした。

 

初めての海外出張

そんな日々を過ごしながら、耐えて耐えて、ご褒美の海外出張には2回、3か国行かせてもらい、1年目で大臣の海外出張の随行もさせてもらいました(おかげでNHKデビューも果たせた!)。

 

上司が死ぬ程嫌ながらも、英語が出来ないという辛さを感じながらも、「国際会議に出た!ニュースになった!」というミーハーな嬉しさから、ペーペーでも、それなりに達成感は感じていました。

 

ターゲットは後輩に

辛い日々も、翌年には、次の1年生が私の課に配属になり、ターゲットが私から後輩に移ることで、終わりを告げました

 

言っていることは正しい。だから、人事もどうしようもできない。もちろん公務員だから首にもできない。こんなイカれた奴が、霞が関に入ってくる希少な若手をどんどん切り付けていく。

 

最初の1年で、私は、何度役人を辞めようと思ったことでしょう。

 

さすがに、どこかの金融機関みたいに、物が飛んでくるとかはなかったですが、ヤバい上司は霞が関だけでなくても、民間でもどこにでもいますよね。

ですが、この1年で精神がヤラれ、こんなイカれた人がいる職場が嫌すぎて、その後も辞めたい気持ちが薄れることはありませんでした。

子どもを産んで初めて考えた地方公共サービス

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妊娠してから、地方自治体の行政サービスについて考えるさせられるようになりました。保育料の算定のために、自分が住む自治体にいくら税金払っているのかを改めて見てみたら、驚愕しました。こんなに払ってるのに、うーん、なんかそれに見合うサービスを受けた気がしない。

 

自治体が集めたお金って何に使ってるの?

何に使ってるんだろうと見てみると、主に民生費で全体の1/4。例えば、何も気にせず公道は使わせてもらってますが、土木費は1割くらい。

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民生費の中では、大きい順に、児童福祉費、社会福祉費、老人福祉費。

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出所:令和3年度版地方財政白書

 

もちろん、結婚したくない人や子どもを産みたくても産めない人がいるのは別としても、これって子ども産んで、保育園入れないと、税金払い損。

とはいえ、実際に自治体のサービスを享受してみると微妙なところばかり。

税金の多くを投入しているはずなのに、なんで、もっと効率的で気の利いたサービスにならないんでしょう。

 

何度私の住所を書かせたら気が済むの?

妊娠し、母子手帳をもらうと、妊婦健診の券がもらえます。種類は、健診14回分の券に加えて、超音波の無料券などで自治体によって少し差があるようです。妊娠は病気ではないので、基本的に自己負担なのですが、受診時にこの券を提出することで、健診にかかる費用の一部を公費で負担してもらえます。

補助して貰えるのはありがたいんですが、これ、複写式になっていて、1セットずつに名前、住所、生年月日、予定日、連絡先等を手書きで書かなきゃいけないんですよね。健診14回分+αなので、20セット弱、ひたすら同じことを書くんです。まぁめんどくさいこと。恐らく私の自治体だけでなく、全国の自治体でこれが普通みたいです。

役所が紙文化なのは重々わかってるんですがね、どうしても名前と住所の記入がないといけないなら、

・既に打ち込んだ補助券を渡す

又は、それは申請してから受け取るまでに時間がかかりそうだから、

・補助券に貼る用の、名前と住所のシールを配布する(貼る手間がかかるけど)

なり、何かもうちょっと良い方法はないんでしょうか。

最近「デジタル庁」発足でホットになってはいますが、「デジタル化」自体はもう言われ始めてから、ずいぶん経ってる気がします。が、まだまだ地方自治体レベルではこんなもんなんですよね。

 

薬まだ残ってるんだけど?

子どもができるまで、子どもの医療費が無料(=保険診療の自己負担分を自治体が代わりに負担している)なこと、知らなかったんです。

毎回、予防接種に行く度、湿疹のお薬を出してくれてるんですが、「まだ残ってるけどな」と思いつつ、薬剤師さんによれば賞味期限は1年くらいということで、それなら良いかと今のところは貰っています。

親は、不必要に子供に薬を投与したくないと思うんですが、患者の負担は無料だし、医者からすれば処方すればするだけお金は入るから、そりゃ医者はどんどんお薬出しますよね。もちろん、そんな悪意はないお医者さんが多いと思いますが、インセンティブにはなってしまいますよね。

患者からしても、無料だからといって安易に受診できるという点からも医療費の増加が懸念されているそうです。

 

なんでそんな大事なもの引き取ったままなの?

出産したら、自動的に子どものマイナンバー通知カードが送られてくるらしいので、気長に待っていたんですが、待つこと数か月。全然来ない。

保活にマイナンバーが必要だと分かったので、区役所に問い合わせたら、

 

「郵便局の保存期間が過ぎてこちらに戻ってきてますね。」

 

とのこと。

 

いやいやwそんな大事なもの、役所に戻ったんなら一言連絡くれても良いじゃん。

 

私が里帰りで実家に戻ってる間、旦那が受け取らずに不在通知も多分間違えて捨てて気付いてなかったのが一番悪いんですが。笑

なんなんだろう、私たちは仕事したから(=発送したから)もう後は知らない感。マイナンバーカードを推し進めたいのは国だけであって、地方自治体は事務作業が増えそうだしそんなインセンティブないのかしら。

 

元を取りたい

ちゃんと住民税を払ってる分、それに見合うサービスを受けてやろうと色々と調べたんですが、なんだかイマイチなものばかり。地方の改革ってまだまだ時間がかかりそうだなと思いました。

ちなみに、上に挙げた妊婦健診の券の問題とか、そもそも補助があっても高すぎる問題とか、すぐ変えられるわけではないことは分かっているものの、住民の声として、旦那が区議会議員にメールで直訴したら、自民党の議員さんだけ丁寧にお返事をくれました。他はスルー。少子化対策をちゃんと考えている人は、果たして、政治家にどれだけいるのか。

 

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科学的根拠に基づく泣き止み動画についての考察

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科学的根拠に基づく赤ちゃんの泣き止み動画3選

子どもが泣いた時、自分であやすのが限界だったり、ちょっとこれ見てて!という時に、動画に頼るママも多いと思います。私も、産まれてから色んな動画を試してきました。

その中でも、ちゃんと科学的に泣き止む根拠がある動画や、そもそも泣き止ますために作られた動画があるということを知りました。

そんな動画を3つご紹介したいと思います。

 

反町隆史「Poison~言いたいことも言えないこんな世の中は~」

赤ちゃんが泣き止む歌の定番と言えば、まずこの曲が挙げられるではないでしょうか。反町隆史さんの所属する事務所「研音」がYouTubeで検証動画を出すくらいです。

日本で話題となっているPoisonは海外の赤ちゃんにも通用するのか?ということで、ニュージーランドアメリカ、ブラジル、イギリスの赤ちゃんにも試してみるという検証動画です。

また、専門家の鈴木創氏(日本音響研究所所長)にも話を聞いており、それによると、赤ちゃんが泣き止むポイントとして覚醒化沈静化の2つがあるそうです。

 

【覚醒化】

イントロのギター音が周波数が大きく上下していて、赤ちゃんの気を引きやすい

 

【沈静化】

サビがフラットで、かつ反町さんの声が響きの強い音で落ち着く

 

Poisonはこれを意図して作られたわけではありませんが、偶然この2つを兼ね備えた曲になっており、ママの間では超有名な泣き止み動画になっています。

 

ロッテ「カフカふかふかかふかのうた”」

こちらは、LOTTEが「Cafca(カフカ)」というソフトキャンディーのプロモーションの一環として作った泣き止み動画です。YouTube公開後わずか41日で、再生回数100万回を突破した話題の動画で、海外のWebメディアでも紹介されたことから、海外でも視聴されているようです。

日本音響研究所の監修のもと作られており、赤ちゃんの定位反射(刺激が向けられた時に、「おや、なんだ?」と刺激の方に興味・関心が向くこと)を利用した動画であるとのこと。この定位反射を促すために、

  • 飽きさせないようないろんな効果音
  • 赤ちゃんが効きやすい高い周波数
  • 音程の変化や転調

をという工夫をしているとのこと。Poisonでいう「覚醒化」にあたると思いますが、沈静化については特に触れられていないので、無いようです。

 

※LOTTEのYouTubeでは、この泣き止み動画に関して2013年に前述の鈴木創氏(現所長)のインタビュー動画が出ていましたが、2012年9月リリース時は、前所長で父親である鈴木松美氏が監修していた模様。

 

moony「ムーニーちゃんのおまじない」

「聞くと赤ちゃんのぐずり泣きが泣き止むという検証結果が出ているおまじない動画」として作られたmoony(ユニチャーム)の動画です。

こちらも、日本音響研究所の鈴木創氏が監修しており、カフカと同じく定位反応を利用した動画であるようです。

 

泣き止み動画についての考察

3つとも日本音響研究所が検証・監修していて、泣き止み動画のポイントを2つとも備えたPoisonが最も効果がありそうなのですが、うちの子は、Poison含めて3つとも効果がありません

もちろん、お腹がすいた、眠いなどの生理的要因の場合は泣き止まないですし、効果の程は個人差があると思います。

 

検証では、ロッテもムーニーも90%超の効果があったとのことですが、気になるのはどちらも母数が50人程とだいぶ少ないところ。

赤ちゃんの泣き止む音っていう分野がニッチ過ぎて、大企業とコラボできるくらいまともに研究しているところはここ(日本音響研究所)しかないのか?ということと、

父親である前所長が、日本音響研究所をやめて、「音響研究所」という、これまた紛らわしいものを作っているところが気になるところ。笑

 

とは言え、公式動画だけで1000万回や100万回といった膨大な再生回数があるので、一定程度効果があるのは確かなんだと思います。

 

我が子の泣き止み動画

ちなみに、うちの子は、科学的に根拠のある動画では全然泣きやまないですが、ホワイトノイズとんとんトマトちゃん(NHK Eテレは、効果抜群。これも有名ですよね。

 

結局、泣きやむかどうかは赤ちゃん次第。その子にあった動画が見つけられると良いですね。

 

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